地域の食材を用いて、産地から常滑焼の使い方を提案していく「とこなめ焼WORKSHOP」がOPENしました。

5/3,4に行われた最初のワークショップは、講師に「おにぎりやさん」の杉江さおりさんを迎えました。編集者でもあるさおりさんとじっくり練り上げた、常滑焼の甕に味噌を仕込み、甕ごとお持ち帰りいただくという産地ならではの企画。定員20名のところ、募集開始から2日間で40名程の応募がありました。愛知県内をはじめとして、遠くは大阪からも参加いただきました。

味噌は米味噌、麦味噌、豆味噌に分けられますが、今回は全国的にいちばん馴染みのある米味噌でも、白味噌にしました。米味噌は、大豆、米糀、塩とシンプルな素材で作られています。通常米味噌を仕込む時は、大豆と糀の量は1:1。今回仕込む白味噌は大豆と糀の量が1:2の少し甘めのお味噌です。もともと、お米は高価なものだったので、米糀の割合が多いお味噌はちょっと贅沢なお味噌です。愛知県西尾市の宮本農園さんの自家栽培の大豆、みやもと糀店さんの米糀を用いました。

無事に当日を迎えお客様も全員いらしたところで、常滑焼の窯元、山源陶苑の新発売の甕と初対面。山源陶苑はおよそ半世紀、やきものの甕を作り続けてきました。「伝統を更新する」を理念に、産地や当社が長年培ってきた技術や素材を編み直し現代の常滑焼を表現したブランドTOKONAMEの器や、直営店TOKONAMESTOREを常滑に開店する勢いのある作り手です。今回は新たに、味噌などを家庭で自給するための小ぶりな甕を発売されました。参加者の皆さんに希望通りの甕の色かどうかを確認してもらいました。

確認が終わると、早速大豆をすり鉢で潰していきます。すり鉢ももちろん常滑焼のものを選びました。すり鉢専門の窯元、ヤマセ製陶所で作られています。すり鉢一筋で70年、全国の家庭で使われています。甕や鉢などのキッチンツールは常滑の得意とするところ。今後もワークショップで紹介していきます。

さおりさんがあらかじめ茹でてきた大豆を潰します。時々煮汁も加えながら行います。

次に、塩と米糀を混ぜます。米麹に塩を少しずつ混ぜながら手の平でボウルに押しつけていきます。子供達も大人に負けじと頑張りました。

米と糀が馴染んでしっとりしてくるまで続けます。今回作る白味噌は、麹の量が多く発酵も早いため1ヶ月ほどで食べ頃になります。赤味噌が定番の産地なのにあえての白味噌。初めて味噌を仕込む人に早く食べてもらって、味噌を手作りする楽しさや、それの美味しさを知ってほしい。また、味噌仕込みに慣れていて仕込み終えた人も、小ぶりな甕で白味噌仕込みを覚えておけば、その年の自家製味噌が無くなった時に、さっと補充用に拵えることができると考えたからです。お味噌は「寒仕込み」といって冬の寒い時期に仕込むことが多いもの。でも、味噌屋さんは1年中味噌を仕込んでいるため、実際にはどの時期に仕込んでも問題はありません。

先ほどのすり潰した大豆に米麹と塩を混ぜたものを加えます。満遍なく混ざり合うようにじっくりと作業します。

まざり合ったら、適量を手に取り団子を作ります。

アルコールで消毒をした甕に軽く投げつけます。甕と味噌の隙間に空気が溜まってカビが発生しないよう、味噌を押し込んでいきます。この作業を繰り返してすべての味噌を甕に押し込みます。

空気に触れてしまう味噌の表面がカビにくいよう、塩を盛り、ラップでシールします。あとは蓋をして完成。家の中で直射日光の当たらず高温にならない場所に保管します。

仕込み終わったら、土鍋で炊いた杉江さんお手製のおにぎりと、一ヶ月前に講師が仕込んでおいた白味噌の味噌汁を頂きます。

味噌汁椀はやはり漆器が良いと思い、当日参加者分のお椀をさおりさんと持寄る事にしました。なんとお互いが持ってきたお椀が、福井の河和田塗りの産地鯖江に工房を構える山岸厚夫さんのものでした。ラフにたっぷりと塗られた朱漆が気に入って求めた点も同じでした。

杉江さんに、味噌のことやおにぎりの話を聞きながらの食事。最後に参加者みなさんと記念撮影。お子さんも楽しんでいただけたようです。手前味噌は簡単で美味しいので、家族の恒例のイベントになると楽しいですね。参加者全員の白味噌が無事完成していますように。